2010/09/06

J-PARC|大強度陽子加速器施設の見学

先日、茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCの見学に行ってきました。 

J-PARCは高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構が共同で開発を進めている実験施設で、陽子ビームを光速まで加速させて標的の原子核に衝突させる事により、中性子を含む様々な粒子を生み出し、それらを用いて様々な実験を行う施設です。
 



陽子ビームを光速の97%まで加速させる加速器達。

これらの加速器は日立や東芝、三菱などが作っている。

加速器は数百メートルも続く。

至る所にある放射能マーク。

放射線を通さない鉛入りのガラス。

陽子ビームの行き着く先である研究施設。

生み出された中性子線などを防ぐ為に、計測装置は分厚い防護壁で囲まれている。 


それでは、このJ-PARCで特に僕が関心を持った研究をご紹介します。 


☆ミュオン 
中性子と共にJ-PARCで作られる素粒子で、担当者の方は将来に期待出来る素粒子と言っていました。その理由の一つとしてミュオン触媒核融合があります。なんだか難しいので最近の若者風に説明してみましょう。 まず、恋のスーパーバイザー負ミュオンくんが重水素くんと三重水素ちゃんにお前ら付き合え!とけしかけ、促されるまま接近した水素核同士は高い確率でラブラブ(核融合反応)になり、ベイビー(ヘリウム核)を生むとともに、反応エネルギーを僕たちの子供見て的ブログ(中性子)として放出します。 そして負ミュオンくんは再びフリーになり、新たに良い感じの2人(ミュオニック水素)を作って次のラブラブ(核融合反応)の手助けをします。まるで キューピットですね!さらに熱核融合反応とは異なり重水素、三重水素を高温プラズマ状態(一億℃以上)にする必要はなく、トカマク型炉のようにそれらを閉じ込めておくための大掛かりな閉じ込め磁場装置なども不要であるそうです。ただ、ミュオンそのものが人体にどのような影響があるかは不明で、現在調査中との事。 


☆中性子科学研究の核変換技術 
核変換技術は高レベル放射性廃棄物に中性子をあてて長寿命核種を効果的に削減する方法として研究が進められている技術です。高レベル放射性廃棄物とは原発で出る使用済み核燃料や再処理の際に出る高レベル廃液の事を言い、放射能が無くなるまでの期間ずっと放射線を出し続けます。その期間が1〜1000万年の物を長寿命核種、1000年程度の物を短寿命核種と言います。この核変換技術では1万年の寿命を持つゴミを1/200の500年にする事が出来るとありました。すでに大量の高レベル放射性廃棄物が出てしまっている現状では、この技術への期待が高まっています。 


原発に興味を持ち、夏休みには原発で働く友人と会って話し合ったり、代替エネルギーや新技術について調べてきた訳ですが、未だ知らない事だらけです。ちなみに今、僕が一番大事だと思う事は高レベル放射性廃棄物の処分です。何万年も労力を使わなくてはならない負の遺産を僕たちは自分達の子供達に託すしかないのでしょうか?これは原発で原発賛成派として働く友人が抱えるジレンマでもあるそうです。今回の見学で知る事が出来た高レベル放射性廃棄物を少しだけ優しくする核変換技術。非常に勉強になりました。 





MAME
(all photo by Serina)